産業春秋/日本企業は“攻め”が苦手?

(2024/3/8 05:00)

日本の経営者は守りにたけるが、攻めは苦手か。電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた「日米デジタル経営調査」から浮かぶのは、そんな姿だ。

デジタル経営の実践段階にある米国企業の割合は5割を超える一方、日本企業ではその半分にとどまる。米国は会社規模拡大や新規ビジネス創出など“攻め”のIT投資に力点を置き、日本は業務効率化・コスト削減やセキュリティー対策など“守り”が主眼となっている。

日米の差は、デジタル化を“経営”の視点で捉えているかどうかによると調査は分析する。米国企業は成長を目指してデジタル戦略と経営戦略を一体化するのに対し、日本企業は効率化のためにデジタルを利用するという姿勢が多勢となっている。

こうした日本企業の経営姿勢は日本生産性本部の「メンタルヘルスの取り組み」調査にもみられる。現状ではハラスメント対策や健康経営など守りが多く、エンゲージメント向上やリスキリングは今後との答えが多い。

守るばかりでは未来は切り開けない。不確実性を増す世界においては、挑戦がなければ衰退しかねない。攻めのデジタル経営を実践する日本企業は、成長度合いが高いと調査は指摘している。

(2024/3/8 05:00)

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