産業春秋／新入社員よ“挑戦”を楽しめ

２０２４年の新入社員に期待するのは「創造」だ。「新しい価値をつくり最大化してほしい」（住友商事・上野真吾社長）、「社内外と連携し共創を」（ＮＴＴ・島田明社長）と入社式では多くのトップが「変革」を唱え、新たな価値の創造を望んだ。

長く守りに舵（かじ）を保ち、世界の変化に後れをとった日本経済。そこから脱却するため「賃上げ、値上げ、利上げ」へと舵を切った。「変化をチャンスと捉え挑戦が好きな人に」（日立製作所・小島啓二社長）、「新たな共創に挑戦を」（アマダ・山梨貴昭社長）と呼びかける。

とはいえ「挑戦」にはリスクが伴う。未知の世界に飛び込む若者たちには不安もあろう。そんな思いに「失敗を恐れずに」（三井物産・堀健一社長）、「失敗を糧に」（みずほフィナンシャルグループ・木原正裕社長）と背中を押す。

現在の企業トップは社会人生活のほとんどを“失われた３０年間”の中で過ごした。「創造」への「挑戦」に憧れもあろう。次代を担う若者たちにそれを実現してほしい。

そのためには「チャンスと捉え楽しむこと」（ＤＭＧ森精機・森雅彦社長）だ。「克服した時にわくわく感も大きくなる」（東レ・大矢光雄社長）。