2月の実質賃金、1.3%減 23カ月連続マイナス

(2024/4/8 17:00)

「名目増」も物価台に追い付かず

厚生労働省が8日発表した毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、2月の実質賃金は前年同月比1・3%減少し、23カ月連続のマイナスとなった。名目賃金は26カ月連続のプラスだが、消費者物価指数(CPI)が同3・3%上昇。物価高に賃金の伸びが追い付かない状況がなお続く。

名目賃金に当たる現金給与総額は前年同月比1・8%増だった。基本給に当たる所定内給与の前年同月比伸び率は0%台から1%台の低水準で推移してきたが、2月は同2・2%と高い伸びを示した。特別に支払われた給与は1月は特殊要因から前年同月比12・4%増と大きく伸びたが、2月は同5・5%減と再びマイナスに沈んだ。

毎月勤労統計で用いられるCPIは持ち家の帰属家賃を除くベース。1月は2022年6月以来となる2%台までプラス幅が縮小したが、政府の物価高対策の影響が一巡したこともあり、2月は再び3%台となった。

物価高を上回る賃上げが実現するか注目される24年春季労使交渉(春闘)は、大手企業で高水準の賃上げが相次ぎ、中小企業も現時点では好調な滑り出しを見せている。連合の最新集計では定期昇給(定昇)とベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率(加重平均)は5・24%で、300人未満の中小組合の定昇込み賃上げ率も4・69%に達した。平均賃上げ率は例年、中小組合の交渉が本格化する夏に向けて低下していく傾向にあるが、24年は5%台の高水準を維持している。このまま物価上昇率が鈍化し、賃金交渉の結果が給与に反映されれば24年後半にも実質賃金のプラス転換するとの見方がある。

(2024/4/8 17:00)

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