産業春秋／新Vポイント、消費喚起に一役を

三井住友フィナンシャルグループの「Ｖポイント」と、カルチュア・コンビニエンス・クラブの「Ｔポイント」が統合した。国内最大となる新「Ｖポイント」の登場は、会員の利便性を高めるだけでなく将来、買い物の形を変えるかもしれない。

さまざまな店で利用できる共通ポイントサービスは、それぞれに加盟店を増やし経済圏を築いている。４大共通ポイントと言われるサービスの会員数は合計で４億人超。国民１人当たり３枚以上の会員カードを持っている計算だ。加盟店ごとのポイントサービスもあり、カードは財布からあふれるほど。

各社は顧客の囲い込みを戦略の主眼に置く。加盟店を増やす、通販や携帯電話など幅広いサービスと組み合わせ、ヘビーユーザーになってもらう。入会もスマホのアプリで勧誘する。

新Ｖポイントで貯（た）めたポイントは世界のＶＩＳＡカード加盟店で利用でき、会員の使い道は飛躍的に広がる。ポイント提供側は、得られる消費性向のデータが格段に増す。

期待するのは得たデータの適切かつ有効な活用だ。商品開発や販売に生かされれば、より快適な買い物環境が整い、競合のサービス向上も促すだろう。消費喚起に一役買ってほしい。