インタビュー/ACSL取締役COO・寺山昇志氏 国産ドローン 性能要求へ交渉力必要

(2024/4/25 12:00)

―飛行ロボット(ドローン)販売で“国産品”を強くアピールしています。

「国家安全保障セキュリティー上の見地から、官公庁の調達で脱・中国の動きが進んでいることが追い風になっている。飛行制御技術を自社開発しているほか組み立ては国内工場、部品も極力、日本製を使っている。半導体は性能の関係で外国製だが、ホワイト国の米国のエヌビディア製を使用している」

―半導体を含め、国産品100%にするのは難しいですか。

「ドローンに使われる半導体はハイスペックなので、製造できるメーカーは世界でも限られる。選択肢が少ないのが実情だ。モーターやセンサー部品もしかり。手がけている国産メーカーは多いが、あくまでも汎用品の話であって、ドローンに使えるものは少ない」

―ドローン向け部品の国産品開発が進まないのはなぜですか。

「ドローン市場がこれまで小さかったことに尽きる。市場が小さいから開発しても売れる数が限られ、利益が出ない。ドローンメーカーも現状は小企業ベンチャーがほとんどだから購入数が少ない。ドローンベンチャーが複数社で協力して共同購入で数を増やせば部品メーカー側にもメリットが生まれ、ドローン向け商品を進んで開発するようになるのだが。国の支援も検討課題だと思う。災害ドローンで目の前に人がいるのに部品不足のため飛ばせないというのでは話にもならない」

  • 国内工場で組み立て生産するが部品には米国製なども使われている

―中国半導体ショックの時のことを考えると在庫の積み増しも必要です。

「それは努力している。3カ月よりも長めの期間で部品をストックするよう心がけている。半導体やモーターなど基幹部品は無論だが、外装のパーツなどでもそれがないと飛ばせないから、全ての部品を日頃からストックしておく必要がある。ダブルソース化も選択肢だが、ドローンではできる箇所が限られ、汎用部品に置き換えるわけにはいかない。サプライヤーが限られる分、調達側も普段の交流関係とともに交渉力を高めることが重要だ。ドローン業界の代表として当社がリーダーシップを取り、部品メーカー側に性能や価格要求をしていくことも今後の検討課題だ」

(2024/4/25 12:00)

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