(2024/5/3 05:00)
1日のニューヨーク外国為替市場で、円ドル相場が一時、1ドル=153円台まで急騰した。それまで同157円台半ばで推移していたが、わずか1時間ほどで約4円も円高が加速した。政府・日銀による円買い介入の可能性が市場で指摘される。
同日は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が会見し6会合連続の政策金利据え置きを決めた。本来なら円安・ドル高材料だが、それとは真逆に会見後に円が急騰した。
政府・日銀は4月29日も円買い介入を実施した可能性が市場関係者に指摘される。投機筋のドル買いによる過度な円安は輸入物価を引き上げ、好調に推移する2024年春季労使交渉(春闘)に水を差しかねない。ただ介入は市場に意志を伝える意味はあるが、時間稼ぎに過ぎない。
政府・日銀の介入が行われていたとしたら、米国はどこまで許容するのだろう。米FRBはインフレ懸念から政策金利を据え置いた。国内物価の上昇を招くドル安は望んでいないはずだ。
イエレン米財務長も介入は「まれな状況でのみ容認される」と政府・日銀をけん制していた。財務省は31日に4月26日―5月29日分の介入実績を発表する。「適切な対応」だったのか注目だ。
(2024/5/3 05:00)