(2024/5/20 12:00)
インフォファーム(岐阜市、辻雅文社長)は、ソフトウエア・ハードウエアの提供や情報ネットワークの構築など多様なITサービスを提供する。子会社が開発した2次元カラーコード「カメレオンコード(CC)」はユニークな技術の一つだ。ネットワークカメラや画像解析ソフトと組み合わせたシステム「いろあと」を入退室や生産、物流の管理用に提供する。CCユーザーや岐阜大学などと人工知能(AI)との併用による機能高度化にも取り組む。
CCはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなど最大8色の小さな正方形を縦横に並べて、その組み合わせで情報を表現する。モノクロの2次元コードと比べ視認性が高く、3倍の距離で読み取りが可能。斜めからや焦点が合わない場合でも読み取り精度が高く、一度に100個の対象を認識できる。入退室や生産、物流の管理システムなどに活用されている。
さらに「工場内で人の動きを厳密に把握したい」というニーズにも向き合う。工場などで作業者が持ち場にいるか否かを自動測定でき、工程改善や働き方改革につなげられる。ただし、多台数のカメラが必要でコストがかさむのが課題だ。「CCは無線識別(RFID)などと異なり電波の干渉や反射もなく高精度で引き合いは多い。しかし成約にはコストがネックだった」と担当者は振り返る。
そこでデジタル変革(DX)の協議会「岐阜県DX推進コンソーシアム」に参加。京セラやLIXIL、岐阜大学などと組んで、CCとAIを融合し一人ひとりの所在を高精度、高効率に検出・記録するシステム「ワーカーモーションAIトラッキング」を2023年度から開発している。
狙うのはCCとAIの機能補完だ。作業服や帽子に取り付けたCCで人を特定し、AIが髪の長さや体形など個々人の特徴を学習し追尾。CCが読める時に再度本人確認し精度を高める。
メンバーの工場での実証では、同じ作業着を着た2人を混同する事例もあった。研究は道半ばで、同グループで24年度も活動を続ける意向だ。識別の精度を上げるほか、情報の取り込みや省人化などの周辺技術も高めていく。
インフォファームはCC関連以外のAI、生成AIの研究にも力を入れている。最適な学習のさせ方などもテーマだ。そのため岐阜大学工学部のAI関連の研究室にも担当者が通う。「AIありきではなく、ユーザーに最適な技術の組み合わせを提供する」と担当者は話す。
(2024/5/20 12:00)
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