中部クリーン、クーラント液の自動希釈供給装置に参入 液濃度を任意に設定

(2024/5/20 12:00)

  • クーラント液濃度調整装置「クーラントコントローラFCM10」

中部クリーン(岐阜県可児市、吉田登資社長)は、愛知、岐阜、三重3県での浄水場向けなどの工業薬品販売を主力とする。焼却炉などの設備メンテナンス、土木や上下水道の建設工事、生活関連の水回りのリフォームなども手がける。新規事業として水溶性クーラント液の自動希釈供給装置の製造・販売に2013年に参入した。

環境への配慮で採用が広がる水溶性クーラント液は原液を水で希釈して使う。適正な濃度があり、近年は加工条件ごとに濃度を使い分ける工場も増えた。しかし水分は蒸発もし、人が厳密に希釈して濃度を維持するのは難しい。

同社の装置はクーラント液の濃度を任意に設定でき、濃度の信頼性や安定性も高い。人件費抑制に加え、適正な濃度管理で加工精度が向上し、工具も長寿命化できる。

大型では最大20台の工作機械にクーラント液を供給できる全自動タイプ「FKM」と、ハンドバルブを人が開閉する半自動タイプ「FAM」を提供する。ともに1サイクル5分で20リットルを供給する。工作機械1台ずつに供給し濃度管理をより厳密にできる小型「クーラントコントローラFCM10」も追加した。

さらに同社は切粉の濾過装置、浮上した油の回収装置、液中の有機物汚泥(スラッジ)の回収装置など、クーラント液関連の周辺装置もラインアップ。クーラント液の希釈と関連の自動化をワンストップで支援する。可児市内に自社工場も確保。名古屋市北区の営業所に4人の専任担当者を置き、全国の需要を開拓している。

仕様変更やオーダーメードにも対応し、導入先の生産現場に最適なシステムを提案するのが同社のスタイルだ。「コロナ禍では現場に行けず商談に苦戦した」と吉田社長は苦笑する。

今は工作機械や工場自動化(FA)機器の大手メーカーにも納入実績ができ、再成長を期す。吉田社長は「関東や関西に営業所を置き、海外市場も開拓したい」と展望し、「主力に育てる」と意気込む。

(2024/5/20 12:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

図解よくわかる 実践!スマート農業

図解よくわかる 実践!スマート農業

原子力年鑑2025

原子力年鑑2025

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい物流現場改善の本

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい物流現場改善の本

カラー版 目で見てわかる 測定工具の使い方・校正作業

カラー版 目で見てわかる 測定工具の使い方・校正作業

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン