インタビュー/セラテックジャパン社長・平林明氏「多能工化で臨機応変に対応」

(2024/5/22 12:00)

セラテックジャパン(長野市、平林明社長)は、ファインセラミックスの切断から研削、研磨、成膜までの加工を手がける。社内で工程ごとに組織を作る独立採算制度を導入し、働き方を可視化して社員の多能工化を推進している。平林社長に展望を聞いた。

―独自の組織運営制度を設けています。

「当社はミニカンパニー(MC)制を導入している。工程ごとに人前後の組織を作り、売り上げや経費、時間の使い方などの固定費と変動費を全て盛り込んだ経営指標を基に評価するほか、個人の昇給・昇格にもつながる。企業規模が拡大しても一人ひとりが能動的に働くため、中小企業特有の業務のスピード感を維持できるメリットがある」

―社内人材のスキル向上にもつながっています。

「顧客や業界の状況から、社内のチームに必ず好不調が起きる。MC制により、それぞれのチームが相互にサポートに入ることができる。人材の柔軟な調整が可能で、各工程の技能も徐々に向上するため多能工化が進む。さまざまな仕事に人材や技術が臨機応変に対応できるのが当社の強みだ。人材育成もプログラム的な研修は基礎知識など最低限のもので、オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)を中心としている」

―自社技術を「サービス」と定義しています。

「中小企業は大手企業から仕事を請けるが、与えられた仕事をするだけでは経営とはいえない。当社は加工事業を『マテリアルプロセッシングサービス』(MPS)と定義し、顧客の期待を上回るサービスとして加工技術を提供している。社員たちも仕事に誇りを持って働いている」

―新野プラスチック製造(長野県中野市)を子会社化しました。

「当社は幅広い加工に対応するため技術の向上を続けている。新野プラスチック製造の子会社化により、これまで金属以外の無機材料を主に扱ってきたが、有機材料も扱えるようになった。経営の柱を増やし、事業の安定化を狙う」

―今後の展望は。

「M&A(合併・買収)は一つの方法として、当社が存在して良かったと思ってもらえるようにしたい。顧客の声に耳を傾け続け、加工レパートリーも増やしていく」

(2024/5/22 12:00)

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