(2024/5/29 12:00)
フタバ(兵庫県播磨町、大西修社長)は、幅広い分野の製缶加工を手がける。三菱重工業神戸造船所(神戸市兵庫区)の協力工場として1946年に創業し、発電プラント関連の製缶や大型機器の製造を中心に手がけてきた。その取り組みの中で高めた技術と経験で、現在は大型から小型、単品まで多様な分野の鋼材加工を支えている。
「オンリーワンで業界一になれるモノ」「会社と社員が情熱を持って取り組めるモノ」を理念に掲げる同社だが、中でも得意とするのが円すい曲げ加工だ。鋼板の幅が10センチメートルの小物から、同3メートルの大型まで幅広く対応できる。独自開発の専用ローラーとプレス機を併用することで大口径の円すい曲げでも1シーム(溶接が1カ所)で加工できる。大西社長は「1シームなので跡形がなく、きれいに仕上げることができる」と説明する。
取引先から加工図面のみが“丸投げ”されても、これを独自のノウハウで展開図に落とし込み、質の高い加工を実現する。こうした“かゆいところに手が届く”取り組みが信頼関係につながっているという。
「円すい加工における展開図の作成は手間を要する。他社は嫌がる作業かもしれないが、当社は進んで取り組んでいる」と大西社長は語り、「製缶業ならではの問題指摘やアドバイス、工夫ができる」と強みを強調する。
同社では近年、事業全体の60―70%が曲げ加工であり主力となっている。今後は主力の曲げ加工をさらに強化することで加工技術の付加価値を高め、価格競争力を維持・向上する考えだ。そのため現在、若手の人材育成にも力を入れ、多能工化を進めている。
「最近では製造コスト上昇分の価格転嫁が問題となっているが、付加価値をさらに高めることが課題解決の糸口だと考えている」(大西社長)。加工技術をさらに高めることで、「円すい加工ならフタバ」というブランドの確立を進める方針だ。
(2024/5/29 12:00)
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