MonotaRO、根付く相互理解の文化 専門部会 有志で運営

(2024/6/4 12:00)

間接資材の電子商取引(EC)大手MonotaRO(モノタロウ)は、積極的な制度導入と独自の施策を通じ、ダイバーシティー&インクルージョン(D&I、多様性と包摂)の推進に力を入れている。2021年に同社サステナビリティ委員会の下部組織として「D&I部会」を新設。各種理解促進セミナーの開催やアンケートによる社員間の意識調査、支援制度の案内・導入を通じて相互理解の促進を図り、多様な社員の活躍を下支えしている。

  • オンライン開催された「子育て座談会」

創業以来、急速な成長を続けてきたモノタロウには中途入社の社員が多く、異なる背景を持つ社員同士で敬意を払い合う企業風土がすでに根付いていたという。D&I部会ではこの文化を積極的に活用し、スローガンとして「MoRE!」を掲げ、さらなる相互理解の推進と、さまざまな社員が活躍できる職場づくりに取り組んでいる。

同部会が取り組む施策の中でも、特に社員間で好評なのが、オンライン形式で年2回開催される「子育て座談会」だ。参加する社員へのアンケートを通じて事前にテーマを策定し、先輩社員が新たに子育てに取り組む社員に対して経験や知識を共有する。「復職後の時間の使い方」「パートナーとの家事分担について」「時短勤務、フレックス勤務といった会社制度の活用法」などをテーマに、これまで計5回開催されている。

実は子育て座談会を同部会が最初から最後まで主導したのは1回のみ。社員の相互扶助の場として根付いた現在は有志によって運営されており、部会は各所への連絡などを担うのみとなっている。

  • 週に1回開催されるミーティング

男性育休制度にも同部会の取り組みが大きく現れている。2023年の取得率は89%と、21年の31%から3倍近くまで伸びた。2023年に実際に育児休暇を取得した男性社員も「申請の際もむしろ歓迎といった雰囲気で、なんら障害は感じなかった。同時期に他部署でも育休を取得した男性社員がいたと聞いたのも後押しになった」と語っており、定着ぶりがうかがえる。

5月には「D&I推進ウィーク」と題し、短期間にセミナーや座談会を集中的に連続開催する企画も行った。D&I部会を指揮する人材組織開発部門の西川理貴部門長は「当事者となる社員には十分浸透した一方、自分事と捉えていない社員の理解度はまだ低い傾向もある。いざという時に頼れる存在があるということを引き続き周知していく」とし、相互理解を深める取り組みを継続する考えだ。

(2024/6/4 12:00)

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