インタビュー/大日光・エンジニアリング社長・山口琢也氏 DX推進で高付加価値化

(2024/6/5 12:00)

大日光・エンジニアリングは回路設計や電子部品実装、完成品組み立てを手がける。現場作業と事務作業のデジタル変革(DX)により、社員が付加価値の高い業務に集中できる体制整備を進める。人事制度の見直しによる新たな人材づくりにも着手した。山口琢也社長に展望を聞いた。

―自社のDX化を進めています。

「2023年から外観検査工程に、人工知能(AI)機能搭載でカメラが人の目の代わりになる自動化システムを導入した。現在計2台を導入し、人員2人分の作業を代替する。また社内稟議(りんぎ)書や申請書も電子化した。モノづくりのDX化は遅れていたが、外観検査を自動化できたのは一つの成果。生産活動において技術力が必要な付加価値の高い作業に人が集中できるよう、他分野に展開する。現場でモノを“探す”“そろえる”“運ぶ”手間を省きたい。将来は材料を自動ピッキングする仕組みの構築も考えている」

―新業務基幹システムの導入を予定しています。

「これまで10年間使用してきたシステムを、25年末に新システムに置き換える。現在DX化の最優先事項として取り組んでいる。処理速度が向上し、顧客の多様化にも対応できる。新システムによって実現できる(現場作業の)DX化もある」

―人事制度を見直しました。

「23年7月に新しい人事評価制度を導入した。それまで部署ごとの包括的な評価が主だったが、経営目標と評価をひも付け、管理指標を明確化した。成果を上げた人にメリハリのある評価を行い、社員のモチベーションを高める。同時期に、これまでの評価と経歴を『見える化』するアプリケーションの試験運用を始めた。社員データを蓄積し、個性や経歴に応じた人事を行う」

―社内研修制度の構築を進めます。

「24―26年の中期経営計画で最も重要な事項は、社員レベルとモチベーションの向上と捉えている。強みでもあるが、当社は“人の良い”社員が多く、主体性のなさや我慢し過ぎる面が弱みにもなる。社員一人ひとりが会社を好きになり、支え合う雰囲気をつくりたい。その上で具体的な新しい学びの場を設定したい」

(2024/6/5 12:00)

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