医薬品安定供給へBCP拡充 佐藤薬品工業、複数社購買で欠品防ぐ

(2024/6/13 12:00)

佐藤薬品工業は一般用医薬品(OTC)メーカーとして供給安定性の向上を図っている。事業継続計画(BCP)を2019年に策定、原材料などで複数社購買品目を増やしている。「BCPなどでルールを決めれば大地震を除きスムーズに復旧できる」(佐藤雅大社長)とする。

  • 橿原市と防災協定を結んだ(左が佐藤社長)

20年に感染症対策マニュアルも策定する一方、コロナ禍後の23年に仕入れ先企業などとの交流イベントを再開、関係を深めている。2月に奈良県橿原市と防災協定を結び、地元とも関係を強化した。

複数社購買は入手や代替がしにくい原材料を中心に2社以上の取引先確保を進める。災害対策のほか政治や地政学リスクも考慮し安定調達を図る。OTCは複数の有効成分が含まれる。「有効成分変更での手続きは時間がかかる。絞り込みがリスク低減になる」(同)として構成変更も視野に入れる。

物流委託先も複数社確保し、立体倉庫の活用で効率化を進める。倉庫を新設しても在庫が増える可能性があるため「奈良県内企業で共同の物流拠点ができないか考える」(同)とし、地元企業全体の取り組みを模索する。

仕入れ先や運送、建築関連などの協力会社会とは年2回ゴルフコンペを開く。「日頃の付き合いがあれば協力も得やすい」(同)と関係性を重視する。奈良県は台風などの被害が多くなく「風水害に鈍感」(同)と捉える。それでも「1月の能登半島地震で意識が変わった」(同)。橿原市との防災協定で災害時は同社を避難場所に提供。飲食料品を確保しやすい体制を整え、地域貢献を図る。

(2024/6/13 12:00)

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