100年続く祖業の精密板金加工に磨きをかけて 大橋製作所 高品質・多能工化にこだわり

(2024/6/26 12:00)

  • 大橋製作所メタル事業部の工場(写真はレーザー複合機=東京都大田区)

大橋製作所(東京都大田区、大橋一道社長)は、100年以上続く祖業の精密板金加工に磨きをかけている。納期やコストの対応はもちろんだが、高品質へのこだわりが特に強い。熟練の技能と各種加工機の技術を融合するとともに、独自の品質管理の仕組みを通じ不具合を再発させない対策を推進している。

板金加工を扱うメタル事業部の顧客は電子や医療、ロボット関連など幅広い。ファイバーレーザーによる抜き加工やベンダーでの曲げ加工、スポット溶接、TIG(タングステン不活性ガス)溶接はじめ別事業部での設計、協力会社での後処理(塗装、メッキ、熱処理など)、組み立てを一括受注できるのが強みだ。

注目される品質管理は国際規格「ISO9001」の認証を取得した上で、経営計画と連動する独自の管理システムを運用する。品質に関する目標や組織の方針を策定。一度ミスがあれば、その都度、再発させないように工法や道具を改めるなど対策を講じている。

さまざまな機械が立ち並ぶ現場での対応の積み重ねを重要視する。「ISO認証の取得・維持が目的ではなく、日常の業務フローにその考え方を落とし込んでいる」(成田信幸総務部マネージャー)のが特徴といえる。

併せて板金加工のエキスパートを育成すべく、2023年度から多能工化を進める。機械に詳しくなるだけでなく、品種や生産量の変動に柔軟に対応する。大橋社長は「事業部全体を見て判断を迅速にし、作業をより効率化したい」とし顧客満足につなげる考えだ。

大橋製作所は個性的なメーカーの顔も持つ。電子部品の実装装置や自動化装置、関数を3次元(3D)で表したオブジェ「数楽アート」など自社開発品は精密板金のノウハウがあればこそ実現した。

石油ショックやバブル経済の崩壊を経て、同社は自社製品を増やして「価格決定主導力のある企業を目指してきた」(大橋正義会長)。「全社研究開発型企業」への進化に向け、板金現場でもその取り組みを強めている。

(2024/6/26 12:00)

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