(2024/6/26 17:00)
岡山大学の赤栩拓郎大学院生と真下智昭教授は、天井や壁を登るマイクロロボットを開発した。車長は14ミリメートルで重さは0・5グラム。磁力で壁面に取り付く。軽いため天井面で逆さまになっても落ちない。インフラや配管の中などの天井面は汚れが比較的少ない。天井に張り付いて進む点検ロボを目指す。
大きさが2ミリメートル立方のマイクロ超音波モーターを駆動力とする4輪小型移動ロボを開発した。超音波モーターは振動子の摩擦で回転力を発生させる。体積当たりのトルクが大きく、小型化に向く。モーターには3段式の遊星歯車減速機を取り付け、0・1ミリー0・3ミリニュートンメートルのトルクを確保した。
機体は車長が14ミリで車幅が10ミリ、車高は5・4ミリメートル。直径20ミリメートル未満の細径管に進入できる。重さは479ミリグラムと軽い。車輪がネオジム磁石になっており、金属製の面に吸着する。実験では垂直壁面や天井面を推進できた。最大1・5グラム程度の可搬重量がある。センサーを装着すれば狭所の情報を集められる。
今後モーターを追加するほか、回転数制御などの機能を導入する。インフラ保守で想定されている配管点検ロボットは、床を車輪などで進む機体が中心。床面は液体や堆積物がたまり、進入の障害になることが多かった。壁面や天井面からアプローチできると清掃作業の前に内部状態を把握できる可能性がある。仮調査と清掃後に本格的に点検に移るなど、一連の計画を立てやすくなる。
(2024/6/26 17:00)
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