(2024/6/26 12:00)
峰勝鋼機(福岡県糸島市、林卓也社長)は、バネを設計・製作するほか商社機能も持つ。オーダーメードが得意で顧客は400社以上。個人の注文に1個から応じることもある。コイルバネ、皿バネ、板バネなど多くの種類と仕様でユーザーが求める機能を実現する。強みや今後の取り組みを林社長に聞いた。
―ユーザーは主にどのような企業ですか。
「産業機械メーカーが多く、製鉄関連や食品関連などがある。建設や発電所で使われるバネもある。少量多品種が当社のフィールドだ。個人では自動車やバイクのカスタム部品やオモチャの部品などの例がある」
―会社の強みは。
「一つは設計ができること。バネを使う製品の開発段階で『こういう物が欲しい』という相談から具現化していく。設計上のポイントとして反発力や使われるスペース、温度、湿度などがある。求める寿命やコストも重要になる。取り換え用の受注も多い。古い機械に用いられて折れたバネを持ち込み、同じ物が欲しいとの要望に応えるケースもある」
―オーダーメードでは、どのような苦労がありますか。
「仕様が数字で示されず『これより強く』とか『ふわっとした感じ』といったあいまいな相談もある。ニーズを的確に把握し、要望以外のことも聞き出すよう努める。求められた機能だけで作ると、例えば海岸での使用を知らずに、錆が問題になるかもしれない。使用環境の考慮も重要だ」
―人工衛星のパラボラアンテナを開くバネも製作しています。
「開発は試行錯誤だった。薄くて軽く、反発力が強いバネにし、大きな温度変化に対応した。さまざまなオーダーメードに対応してきたからこそ完成できた面もある。やりがいが大きく全てが良い経験になった」
―今後、力を入れる取り組みは。
「営業と同時に設計の話ができるセールスエンジニアを育てていく。担当者によって異なる顧客の情報を共有し、会社として対応できるようにもしていきたい。開発で、こんなバネを使いたいというニーズに提案で応えていく。小回りが利き、飛び込みの相談にも対応できる会社であり続けたい」
(2024/6/26 12:00)
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