(2024/6/27 12:00)
オリンパスは自然災害発生時の対応として、サプライヤーへの支援や協力体制の強化に取り組む。サプライヤーの変更や仕様の変更が難しい医療機器製造においては、供給の正常化に重点が置かれる。平時からの部品の在庫適正化の徹底だけでなく、有事には状況に応じた支援に加え、サプライチェーン(供給網)全体での協力関係の構築が早期復旧のポイントとなる。
1月の能登半島地震では内視鏡部品を製造するサプライヤーが被災した。調達機能を担当する浜秀司氏は「過去にない規模の被害だった」と振り返る。オリンパスは医療現場の影響を最小限に抑えるため、まずは製造より修理を優先。さらに浜氏を中心としたチームが被災したサプライヤーの支援活動に当たった。
また並行して実施したのが、すでに取引があるサプライヤーへの協力要請だ。新たなサプライヤーの選定や評価、また施設立ち上げにかかる時間を大幅に短縮した。こうした二つの取り組みで、想定より早い製造再開につながったという。
内視鏡は高い安全性が求められる。機種も多く、部品生産は少量多品種になる。そのためマルチソース(調達先の複数化)や転注といった対応が難しい。サプライチェーンを管理する田中亮本部長は「網羅的な災害対策は理想的だがきりがない。安全在庫の管理の徹底に加え、起きたことに対して迅速に対応していくことが大事」と強調する。パートナーのサプライヤーとの医療を止めないという使命への理解や日頃の関係を基盤とした災害対策で、レジリエンス(復元力)を高める。
(2024/6/27 12:00)
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