産業春秋／都知事選、何をするかどうするか

立候補者が過去最多となった東京都知事選挙。それぞれの候補者がどのような公約を掲げているかを可能な限り見てみた。いまさらながらだが「何をするか」は掲げられるが、それを「どうするか」がよく分からない。

それぞれに発展、改革、刷新を唱う。より良い社会をつくるための有権者への約束だ。若者の手取りを上げるという公約は、少子化という日本の課題に応えるものだろう。ただ、減税をするのか、企業に要請するのか、どうするのか。

現職は過去に掲げた公約の９割を実行・着手したという。その上でもっと良くすると話す。ただ個々の施策の進捗（しんちょく）率など成果がよく分からない。再選したら完遂するということだろうか。

有力候補を追い上げる候補は、それぞれの主張に是々非々で臨むのは分かりやすい。ただ地方を念頭においた主張は、具体的に都政とどう結び付けるのだろうか。

よく分からないのは己の理解力に問題があるだろう。重箱の隅をつつくようなものとも言われよう。ただ公約を見て気付いたこともある。高齢者対策を掲げる候補が、あまり見当たらないことだ。投票率が高い高齢者にもっと目配りし、介護職不足などにも切り込んでみてはどうか。