(2024/7/11 17:00)
三井物産は11日、アラブ首長国連邦(UAE)でアブダビ国営石油会社(ADNOC)が主導する液化天然ガス(LNG)プロジェクトへの投資を決定したと発表した。三井物産は10%出資し、設備投資額は同社持ち分ベースで約5億5000万ドル(約880億円)。年間生産能力は960万トンで2028年の稼働を目指す。カーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)社会への移行期にエネルギーの安定供給に寄与する低炭素燃料として、LNG開発を推進する。
三井物産はUAE西部のルワイス工業都市でのLNG事業「ルワイスLNGプロジェクト」への出資参画を決めた。設備総投資額は約55億ドル(約9000億円)でADNOCが60%出資するほか、三井物産と石油大手の英BP、英シェル、フランスのトタルエナジーズがそれぞれ10%ずつ出資する。
28年から20年間のプラント運営を計画する。ADNOCが開発・精製する原料ガスを液化し、三井物産は年間60万トンのLNGを引き取る。販売先は明らかにしていない。
三井物産は中期経営計画で、エネルギーの安定供給と気候変動対策を両立させる戦略を柱の一つに掲げ、低炭素化に寄与する天然ガス・LNG事業を推進している。19年に参画したロシアのアークティック2LNGは米国の制裁対象となり調達開始に不透明感が漂う中、今回は地政学リスクの分散も狙って5年ぶりとなるLNG権益の取得を決めた。
三井物産は3月にベトナム沖のガス田開発への出資参画を決めるなど上流開発も推進している。一方、天然ガスが埋蔵されている地下構造への知見を蓄積し、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)事業への展開を狙うなどCN関連のサプライチェーン(供給網)を強化している。
(2024/7/11 17:00)
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