(2024/7/31 12:00)
三木プーリ(川崎市中原区、三木康治社長)は、インドでの生産体制増強を着々と進めている。2023年2月に新工場(マハーラーシュトラ州)を稼働し、生産能力を従来比6―7倍に高めた。24年度内には生産するカップリング(軸継ぎ手)の品目を2倍にし、現地ニーズの拡大に対応する。インドでのモノづくりの方向性などについて、海外統括の三木裕治副社長に聞いた。
―インドでの生産強化の狙いは。
「12年に現地生産を始め、人材を育成しながら段階的に工場を拡張してきた。工作機械や工場自動化(FA)設備向けなどの需要拡大を見込み、新工場を建設し大幅に生産能力を増強した。東南アジア地域に製品を供給する拠点としても活用する」
―インド市場の顧客の動向をどう見ていますか。
「日系を含む海外から進出したメーカーに加え、ローカルメーカーも重要な存在になっている。人口が多い地域では必ずモノづくりが営まれるようになる。発展前の段階から当社製品のプレゼンス(存在感)を示すことが重要と考え、先行投資してきた。現地のスタートアップにもアンテナを張って製品を供給したい」
―現地のモノづくりの方向性は。
「現地生産の開始当初からトヨタ生産方式(TPS)の導入や5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)の徹底などを地道に進め、現場への浸透に手応えを感じる。最近は一部で改善活動にも取り組んでいる。その結果、品質も安定し、現地生産を拡大する一つのきっかけになった。人材の定着に難しさも感じるが、現地で中核になるような人材の育成に注力したい」
―今後、インド工場はどう進化しますか。
「現状の敷地には余裕があり、生産品目の拡大のほか生産工程の内製化などを検討する。インドでは投資額を抑えながらさまざまなチャレンジができる側面があり、グループでまだ取り組んでいなかった工程の内製化なども期待できる。例えば、インドで生産した部品やユニットを他地域の生産拠点に供給することで、グローバルでの生産最適化が可能になる。世界中で価格競争力の強化は急務。インドはその観点からも重要な拠点だ」
(2024/7/31 12:00)
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