インタビュー/MoriX社長・久保田守彦氏 半導体の進化に合わせ調達・設計

(2024/8/1 12:00)

―指紋認証付きICカードの生産に欠かせない半導体チップ調達の現状は。

「コロナ禍の時期は供給面の問題などから、半導体の調達が困難な状況だったが、現在は改善した。約3カ月のリードタイムで調達できる状況になっている。ただ、半導体チップの技術は約3年あれば変化する。例えば、近年はチップの機能が集約されてきて、チップの数は少なくなってきた。それに伴いカードの設計も変化する。素材の進化を注視して調達と設計を進めていく必要がある」

―調達で協力する企業とのコミュニケーションが重要です。

「指紋認証付きICカードの生産は外部委託しており、生産に必要な素材の調達はこちら側の役割だ。調達で協力する商社とは単に素材の売買だけでなく、品質や求める能力などを相談して調達する素材を選定できる関係性を構築している」

―今後の調達面でのリスクと対応策は。

「使用する海外生産の半導体チップの単価など調達コストは一時期下がりかけたが、為替が円安の影響で相殺されて高止まりになっているのが現状だ。為替などはこれからも外部要因としてのリスクになる。将来的には可能な限り国内で調達をしていきたいと考えている」

  • 指紋認証付きクレジットカード

―調達と生産をつなぐための体制整備にどのように取り組みますか。

「指紋認証付きICカードはクレジットカードでの用途を中心に、入退室管理のセキュリティー分野、チケットの不正転売防止など幅広い用途で利用拡大を見込んでいる。導入が決定している観光施設もある」

「調達は生産に先駆けて計画的に進めていくことが必要だ。生産と営業、設計とともに調達計画を立てることが必要になる。製品に必要な素材の情報に加え、需要状況を見極めて計画に反映する。企業としての競争力を確保するために、カードの技術的な知識を持つ営業人員を補強したいと考えている。調達や製造、営業が連携する体制を整えることで、製品供給を万全にしてカードの普及拡大の好機を生かしたい」

(2024/8/1 12:00)

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