(2024/8/12 05:00)
世界の中央銀行総裁や経済学者、エコノミストらが集う経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が22―24日(現地時間)、米ワイオミング州で開かれる。最大の注目は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長による講演だ。
米国経済が悩ましい。雇用情勢が悪化した一方、非製造業の景気判断が改善するなど、経済指標が一方向でない。米FRBは9、10、12月の年3回利下げに踏み切るとの観測があるが、その方向かはパウエル議長の発言を待つしかない。
積極的な利下げに言及すれば円高に傾きやすくなり、日本の株安が進みかねない。ただ、さらなる利上げを示唆していた日銀がここにきて慎重姿勢に転じている。円高・株安を回避したい思惑のようで、日銀の植田和男総裁の発言も注目される。
先週末の東京市場は株価が3万5000円台に反発し、為替相場も1ドル=147円台の円安で推移した。この流れがジャクソンホール会議で反転しないかが当面の大きな焦点である。
個人消費が足踏みしている日本にとって、円高は物価高を抑えるプラス要因になる。だが急激な為替変動による株価の乱高下は遠慮したい。緩やかに、そろりと円高に向かってほしいのだ。
(2024/8/12 05:00)