(2024/8/13 05:00)
第3子の誕生を機に1年間の育児休業の取得経験がある経済産業省の男性キャリア官僚を、かつて取材した。「無制限無定量」で働くことが当たり前とされていた霞ケ関での思い切った決断。「たとえ政府の(男性育休)取得目標が10%に過ぎなくても、率先しなければ世の中は変わらない」と語っていた。
あれから15年余り。厚生労働省の調査によると2023年度、男性育児休業の取得率は初めて3割を超えた。22年度の17・1%から大きく上昇した。背景には、従業員に対する育休制度の周知や取得意向の個別確認が企業に義務付けられたことがある、と担当者は分析する。
取得期間の長期化も顕著だ。「1カ月から3カ月未満」が最も多かった。約10年前には「2週間未満」が7割を超えていた。
政府の新たな目標は25年までに取得率50%。出生数の減少に歯止めがかからない現状を打開するため、若年人口が急減する30年代までの今後6年を反転のラストチャンスとし、「異次元の少子化対策」を講じる。28年度までに3・6兆円規模とする財源確保にもめどをつけた。
子育てが一段落したであろう、くだんの彼の目に一連の変化はどう映るのか。思いを聞いてみたい。
(2024/8/13 05:00)
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