SOMPOケア 介護人材、外国人を積極採用 生活・文化の理解 手助け

(2024/8/13 12:00)

高齢化社会の進展に伴い介護の需要が高まる。一方、人手不足は深刻で、介護人材の育成や確保が大きな課題となっている。こうした中、SOMPOケア(東京都品川区、鷲見隆充社長)は、外国人の積極的な採用を進める。介護の仕事は技術だけでなく、人と接する上で重要な文化的な理解も求められる。働きやすい職場作りと人材育成プランで、多様な人材が高品質な介護を提供できるよう取り組む。

  • 研修ではコミュニケーションに重要となる日本の文化や考え方なども学ぶ

SOMPOケアはこれまでも性別や年齢などが多様な人材が活躍できるよう取り組んできた。その取り組みの一つとして、2019年から海外招聘(しょうへい)型の外国人採用を開始。開始当時はベトナムから2人の技能実習生を迎え、コロナ禍を経て現在は海外人材が約80人にまで増加し、今後もさらに増える予定だ。

海外からの人材を確保し、長く働いてもらう上で重要となるのが教育だ。人材開発部の片岡伸子特命部長は「サービスを提供する上で、日本の文化や考え方を知ってもらうことも大切。しっかり伝えて現場に出てもらえるような教育に取り組んでいる」と強調する。研修を受けた外国人からは「文化が理解できれば生活が前より楽しみになる」「(ルールや習慣など)学んだことをよく守っていきたい」といった声が寄せられる。

こうした教育は、外国人の日本での働きやすさにとっても重要だ。例えば、過去に外国人材を受け入れたものの職員などと相互理解が進まず、マイナスの印象が払拭できていない介護施設も中にはあるという。文化や生活ルールへの理解を深めて現場に出ることで、お互いの人間関係も円滑になる。

  • 今後も外国人材を増やし、活躍の場を拡大する

同時に実施しているのが、外国人材を受け入れた施設管理者の意見交換だ。片岡特命部長は「実際に外国人材を受け入れた施設からは、仕事の質の高さや利用者からの高い評価などポジティブな意見が多い」とし、「こうした現場の声を発信し、受け入れ施設の拡大につなげていきたい」と説明する。

SOMPOケアは、日本で暮らす外国人などの採用以外に、海外からの特定技能外国人の採用を積極的に進めており、外国人材の割合は現在の約1%から今後5年間で5%程度にまでに増やしていく必要があるとしている。まずは教育や受け入れ体制の整備を進めるが、長期的には外国人材にとって魅力的な制度の導入の検討も重要だ。片岡特命部長は「自国に帰るとなると時間も交通費もかかる。海外からの人材が増えたことをきっかけに、休暇制度の定着につながれば、全体にとってもいい影響があるかもしれない」と話す。多様な人材を大切にする職場作りが、介護の人手不足解消にもつながっていく。

(2024/8/13 12:00)

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