インタビュー/ジャパン・ミヤキ技術部保全課の藤谷正氏

(2024/8/20 12:00)

「モノづくりが好き」原動力

  • 藤谷氏は現在も汎用旋盤で治具製作を担当する

ジャパン・ミヤキ(浜松市中央区、宮木茂明社長)は、船外機や2輪車部品の一貫生産を手がける。藤谷正氏は、そうした同社の事業活動を機械保全や治具製作、量産部品の立ち上げなどさまざまな業務で60年もの間支えてきた。これまでの歩みや仕事の取り組みについて話を聞いた。

―これまでの歩みを教えてください。

「入社後しばらくは洗濯機や農業機械、複写機などのシャフト加工が忙しかった。機械保全との関わりは、受注増と同時に、機械の故障が増えてから。当初は修理を外注していたが、生産を間に合わせるためには社内で直すしかなかった。協力会社の仕事を見て覚えて、自分でも作業できるようにした」

―機械保全は生産活動にとって重要な業務です。

「機械が止まると生産計画に支障が出る。ただ、機械はいつかは必ず故障する。どれだけ早く修理できるかが大切で、治具製作でも同じ。治具を早く用意しないと生産に取りかかれない。特に当社が得意とする摩擦圧接は特殊な加工法で、市販の治具が少ない。時には手書きで設計したり、現物合わせで製作したりと工夫していた」

―藤谷さんの技能を継承するのは大変そうですね。

「再雇用が終わった65歳以降から、保全の後継者を育てていた。経験を伝え、3―4年後にはある程度任せられるようになった。今では助言しても、作業することは少ない。私の時代には故障してから徹夜してでも修理していたが、4人担当がいる今では予防保全ができている。突発的な機械の不具合は少なくなった。治具製作は技能検定の普通旋盤作業1級を取得した若手に引き継げる」

―60年以上続けることができた原動力は何でしょう。

「それはモノづくりが好きだということに尽きる。難しい部品加工を立ち上げる時には一瞬も仕事のことを忘れず、夢に見ることもあった。ふと思いついた方法が成功した時の喜びを覚えている。だから若い人たちも難しいことに挑戦してほしい。若いうちにさまざまな工程や機械を経験するのもいい。私も支援を惜しまない」

(2024/8/20 12:00)

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