産業春秋／セブン＆アイHDへの買収提案どうなる？

セブン＆アイ・ホールディングス（ＨＤ）が、カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けている。提案を受けるかどうかは速やかに検討するという。

セブン＆アイＨＤは買収提案を検討するため、取締役会議長を委員長とする特別委員会を組成。特別委員会は社外取締役のみで構成し、「慎重かつ網羅的に」検討を重ねる。

セブン＆アイＨＤは２０２３年９月に百貨店大手そごう・西武を米投資会社に売却し、イトーヨーカ堂など傘下のスーパー事業も株式を上場する方向で検討すると４月に発表していた。構造改革途上にある同社の判断を見守りたい。

経済産業省は２３年８月、Ｍ＆Ａ（合併・買収）の健全な発展に向け「企業買収における行動指針」を策定した。買収する側、買収される側双方の企業価値向上に資する買収提案を受けた企業は、真摯（しんし）に検討するよう求めていた。

今回の買収提案は、外資の日本企業への出資を規制する外国為替及び外国貿易法（外為法）の対象になるという。どの事業が対象かは不明だが、政府への事前の届け出が必要になる。安全保障をめぐる政府の対応がハードルとなるかも注視する必要がある。