(2024/10/7 12:00)
鴻池運輸は無人フォークリフト(AGF)を用いて、トラックへの自動での荷積みを3月に開始した。倉庫内作業で活用が広がるAGFだが、荷積みはトラックの車種や停車位置に応じた積載位置の補正や搬送時間の制約もあり、難易度が高い。これをフォークリフトメーカーの三菱ロジスネクストとの連携による技術改良で克服した。今後、多バースへの展開を目指す。
「有人フォーク作業に匹敵する精度と時間で荷積みを行える」。鴻池運輸神奈川綾瀬営業所(神奈川県綾瀬市)の仲山智紀営業所長は、荷積み自動化技術の自信を語る。同営業所は大手飲料メーカーの工場に隣接する最先端の自動倉庫だ。3月に荷積み自動化技術を1バースに導入した。
仕組みはこうだ。飲料製品入りの段ボール箱を積んだパレットは、ベルトコンベヤーで運ばれ、出口に待機している上面がコンベヤー形状の無人搬送車(AGV)が受け取る。AGVはトラックが停車したバース近くへ前進し、AGFが荷物を受け取る。AGVとAGF1台ずつのセットを2セット使い、トラックの左右両側から荷積みする。大型トラック1台への荷積みを有人フォーク並みの15分以内に完了する。対象は荷物間に緩衝材を入れない養生レス製品に限定している。
荷崩れを防ぐため、AGFには荷物をすき間なく積む高い精度が求められる。そこで自己位置推定用のセンサーに加え、レーザー系や光学系の複数のセンサーを設置。「AGFだけで荷台の高さや奥行き、隣の荷物との位置関係といった距離をミリメートルに迫る精度で測れる」(三菱ロジスネクスト担当者)ようにした。
トラック運転手は所定位置にトラックを停車させ、荷台のウイングを開く。荷積み担当者は周囲の安全を確認し、タブレット端末で搬送回数を指定するだけで良い。労働力不足を見据え「自動化・省人化で生産性向上を目指す」(仲山営業所長)と意気込む。
(2024/10/7 12:00)
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