ニシキ、キャリアテープ 微細化・異形対応

(2024/10/7 12:00)

  • キャリアテープは微細な部品搬送にも対応

ニシキ(佐賀県鳥栖市、江上和正社長)は、トレーなどプラスチック製食品容器の製造やリサイクル事業を手がける。半導体や電子部品の保管・輸送に使う「キャリアテープ」も代表製品の一つ。同テープはユーザーの設備内で扱われ、搬送や組み立て工程の自動化を支えている。

キャリアテープ事業への参入は、1995年に神奈川県の企業から電子材料部門の営業権を取得したことがきっかけ。プラスチック製品メーカーとしてのノウハウを生かし、各種樹脂材料の特性を見極めながら、用途などに合わせた製品を開発してきた。現在は売上高の30%以上を占める主力事業に成長した。

プラスチック製キャリアテープは紙製に比べてホコリの発生が少なく、組み立て工程や画像検査時の短時間の設備停止(チョコ停)を防ぐ。

キャリアテープを含む電子材料事業の生産拠点は、佐賀、鹿児島、岩手の3県に構える。設備投資を適宜実施しており、2023年には九州工場(佐賀県鳥栖市)内にクリーンルームを整備した。高度な生産体制を整えることで、付加価値の高い製品づくりを維持、発展させている。

日本国内のみならずアジア圏でもキャリアテープの需要を獲得している。事業拡大を支える要素となっているのが加工技術の幅広さと精度の高さ。江上社長は「コネクターから微細部品まで、さまざまな大きさの部品に対応できる」と胸を張る。

微細加工については一つのポケットの縦横の長さが0・2ミリ×0・1ミリメートルのキャリアテープの量産化に成功するなど技術革新に余念がない。ポケット内で深さが異なる異形加工にも強みを持つ。

本社を構える佐賀県は、産学官連携で半導体産業振興を目指す組織「さが半導体フォーラム」を22年に立ち上げた。同組織の枠組みを生かして、ニシキは23年9月に半導体関連の見本市「セミコン台湾2023」に出展した。江上社長は「今まで接触できなかった企業とも意見交換できた」とさらなる商機に期待を膨らませる。

(2024/10/7 12:00)

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