女性リーダーの気持ち/損害保険ジャパン執行役員データドリブン経営推進部長・村上明子氏 現場社員と直接会話

(2024/10/8 12:00)

前職の日本IBMで人工知能(AI)の1分野である自然言語処理の研究に携わりました。1999年当時、AIは冬の時代でしたが、その後、検索エンジンや人間のクイズ王に勝ったAI「ワトソン」が登場し、私の研究分野の注目度も一気に高まりました。私はワトソンそのものの研究には関わりませんでしたが、ワトソンをソフトウエアとして販売する製品化に携わり、とてもやりがいのある日々を過ごしました。

自分が動くことが好きで、管理職は固辞し続けました。しかし、約10年前にいよいよ断れなくなり、課長に就きました。自分には向いていないと感じ、帰宅すると、愚痴をこぼす毎日。そんな時、夫に言われました。「仕事をやるように言われ、できなかったら、それは自分の責任ではなく、仕事を頼んだ人の責任だ」。はっとしました。「そういう考えもあったか」と納得し、以来、何かあっても自分のせいではないと捉え、気が楽になりました。今でも部下に仕事を頼む際には「失敗しても私の責任だから」と一言添え、部下の背中を押すようにしています。

転職し、今は損害保険ジャパンの執行役員としてデータを活用した経営を推進する部署を任されています。心がけていることは、課長など管理職から話を聞くだけでなく、現場の社員にも月に1度は直接、仕事の進捗(しんちょく)を聞くことです。誰が何の仕事をしているのか具体的に把握することで問題が起きた際に原因がどこにあるのか特定しやすくなります。また報告する現場の社員にとっても、直属の上司以外にも仕事の説明を行ういい訓練になると思います。

管理職として、いつも機嫌良く過ごすことも大事にしています。自分では部下とフラットな関係と思っていても、部下は上司に気を遣うものです。その点を肝に銘じ、机の前に癒やし系のキャラクターグッズを置いて、それを眺めて気持ちを和ませ、気分転換しながら仕事に努めています。

(2024/10/8 12:00)

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