住友ゴム工業白河工場、エネルギーを地産地消 タイヤ工場の熱を水素に転換

(2024/10/24 12:00)

  • 水素をパイプラインで水素ボイラに供給する

住友ゴム工業白河工場は自動車タイヤ製造で大量に使用する熱エネルギーを水素に転換する地産地消システムについて、2025年春からグリーン水素を製造して、パイプラインでバーナーに供給し、工場の製造現場には蒸気を供給する工場内水素サプライチェーン(供給網)の構築に乗り出す。脱炭素化に伴う水素大量利用時代の到来に備える。

白河工場はタイヤゴム消費量で月産1万350トンを生産する。天然ゴムを混合・成形し、熱と圧力でタイヤに仕上げる加硫工程には、大量の蒸気が供給され、化石燃料の一部を水素に転換した。今春から本格的に実用化し、水素は福島県郡山市の化学工場から発生する水素ガスを精製しトレーラーで供給する。

この水素精製から供給、ボイラ燃焼、蒸気利用を工場で完結するサプライチェーンを構築する。やまなしハイドロジェンカンパニー(甲府市)が事業化するパワー・ツー・ガス(P2G)システムを取り入れ、500キロワットのグリーン電気を使ったPEM型水電解により水素を1時間に120ノルマル立方メートル生産。パイプラインで水素をボイラまで供給し、加硫工程に蒸気を供給する。同工場が導入する2000キロワットの太陽光発電はほとんどを工場の電力に利用するが、水素向けに一部を利用する。多くは系統のグリーン電力で賄う。水素供給で利用しているトレーラーをタンクの代替で活用し、水素需要に対応する。

河合亨工場長は「自前の水素ループを利用して課題を解決、熱多消費工場での脱炭素への先駆けとして、水素化を拡充していきたい」としている。

(2024/10/24 12:00)

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