ダイソウ工業、ロボット導入で生産性向上 ダイバーシティー体制構築

(2024/10/28 12:00)

  • ブレードとそれを保持するステイアームを溶接するロボット

ダイソウ工業(津市、川口宗一社長)は、DAISOホールディングス(同市)の中核企業。板金・溶接・塗装加工による建設機械や医療・介護用ベッドの部品製造、プレス加工による自動車の部品製造などを主力とする。

近年、中小企業であるダイソウ工業は採用難の課題を抱えており、多くの生産現場で外国人材に頼っている。現在はロボットの活用で自動化部分を増やし、作業者の工程配属から習熟完了までにかかる時間の大幅な短縮に取り組んでいる。このように性別や国籍、経験や能力の有無・多寡にかかわらず、さまざまな人材が働けるダイバーシティー(多様性)体制を構築することが、同社における自動化の真の狙いだ。

北山慶一郎製缶事業部長は「自動化により個々の能力差を補完できれば、採用する『人財』のターゲットが広がる。同時に能力差に起因する製品の品質と生産性のバラつきを抑えることで、生産の安定化や生産性向上にもつなげられる」と強調する。

実例として、2023年に建機メーカーから受注した部品の製造ラインでは、2台の安川電機製溶接ロボットをマテハンロボットで囲むように配置した。設置スペースを最小化しつつ、この3台を同期制御して仮付け溶接から本溶接までを完全自動化。従来のラインと比べて生産性を2倍にし、作業者を1人削減した。

24年には3台のパナソニック製溶接用ロボットを導入し、1台でブレード(排土板)を組み立て溶接、2台で完成したブレードとそれを保持するステイアームを溶接するラインを構築。この3台と治具や周辺機器を同時運用するため、最適な形に配置し稼働率を向上させた。さらに機器の能力向上や設置方法の工夫により、溶接用ロボットがほぼ全ての本溶接に対応。高度な溶接構造物でありながら熟練溶接工を必要としない工程を実現した。

今後も人材多様化と生産性向上の二つを両立。労働人口が減少する中でも安定品質・供給を維持し、適正価格の実現で取引先のニーズに先回りして対応する考えだ。

(2024/10/28 12:00)

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