完全自動運転実現へ チューリング、計算基盤稼働

(2024/10/30 17:00)

  • ガグルクラスターにはエヌビディアのGPU96基を搭載した(チューリング提供)

チューリング(東京都品川区、山本一成社長)は30日、完全自動運転(レベル5)開発用の専用計算基盤「ガグルクラスター」の運用を始めたと発表した。同基盤を用いた独自の人工知能(AI)「TD―1」を開発し、10月から走行試験を開始した。複数のカメラ映像から周辺の地図や車両・歩行者を認識して運転操作を実現するAIモデルを確立する。まずは2025年末までに人間の介入なしで都内を30分間走行できる自動運転システムの開発を目指す。

ガグルクラスターは米エヌビディアの画像処理半導体(GPU)「H100」96基を搭載した。同社の相互接続技術「インフィニバンド/NDR400」も活用。大規模なAI学習で複数のGPUを同時に使った際に生じるサーバー間の通信速度の制約を最小限に抑えられるようにした。同基盤の構築に当たってはNTTPCコミュニケーションズ(東京都港区)の技術支援を受けた。

チューリングの山本社長は、名人位を持つプロ棋士を破った将棋AI「ポナンザ」の開発者として知られる。21年に同社を創業し、23年11月にガグルクラスターの構築に着手した。NTTドコモ・ベンチャーズ(同)の出資を受けるなど、創業以来の資金調達額は約60億円。30年までに完全自動運転の電気自動車(EV)累計1万台の生産を目指している。

山本社長は「人による運転よりも圧倒的に安全なものを作ることが我々の使命だ」と述べた。

(2024/10/30 17:00)

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