(2024/10/31 12:00)
セイコーソリューションズグループのCSMソリューションが開発に協力した分娩監視システム「emona」を、産科婦人科向け医療機器などを手がけるトーイツ(東京都渋谷区)が2023年6月に発売した。同システムが能登半島地震で活躍し、用途の幅を広げている。
「災害や地方の過疎化、医師の働き方改革など環境が変わる中で“有事専用”ではなく“普段使いを持ち出せる”ようにシステムを再構成した」。トーイツの内田史景執行役員はemonaを開発した背景を振り返る。
emonaは母体や胎児の状態を計測する分娩監視装置と、病室や分娩室の複数台の装置を一括監視するセントラルモニターで構成。同装置にバッテリーやWi―Fi(ワイファイ)、メモリー機能を内臓し、即時のデータ送信が可能。院内・病院間の搬送中など、病床から離れた環境でも妊婦の状態を確認できる。
分娩前の妊婦の陣痛強度や胎児の心拍数は、常時監視して異常が発生した場合に迅速に対応する必要がある。被災した恵寿総合病院(石川県七尾市)では断水により産科が別棟に避難。遠隔で一括監視していた平時の対応が困難となり、医療スタッフは病室を離れられなくなった。そこでemonaを導入。依頼から4営業日で設置が完了し、同病院の新井隆成医師は「能登のお産を守った救世主」との賛辞を贈る。
CSMソリューションの市川剛司副社長は「もっと加速度的に広まってほしい製品」と太鼓判を押す。医師の働き方や人手不足にも貢献でき、トーイツは院外利用や災害時利用といった用途でも拡販する。
(2024/10/31 12:00)
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