若手・女性が提案・行動 田島ルーフィング 実務に反映 意欲高まる

(2024/11/5 12:00)

  • 田島ルーフィングの「希望プロジェクト」。若手や女性らがアイデアや意見を出し、実現に取り組む

田島ルーフィング(東京都千代田区、松原幸雄社長)の防水事業部は、働く人のダイバーシティー(多様性)を尊重して「希望プロジェクト」「5%チャレンジ」の両制度を運用している。建設関連は男性中心の職場とみられがちだったが、同社は若手や女性らがアイデアや意見を出し、実現に取り組むことがやりがいと業務の活性化につながると判断する。開始4年目を迎えて運用の成果は確実に表れ始めている。

田島ルーフィングは「和・革新・技術」という企業理念を掲げ、現中期経営計画は「人の和を築き、人を育てる」とし、社員が生き生き働けるよう意識の改革を明記した。2制度は経済環境の悪化や人材不足を背景に2021年度に始まった。呼びかける対象は事業部の約580人全員。

希望プロはリーダー育成や提案の実務への反映が狙いで累計18件が採択され、うち現在に続くものが7件。その一つが新工法の説明動画を制作プロデュースし、社員の名刺に貼った2次元コード(QRコード)のシールからひも付けた案件だ。

  • 展示会などを通じ新しい工法や製品をPR。営業現場からはカタログの改善などの提案が相次いでいる

「スマートフォンをかざせば動画に飛んで、難しい工法を理解してもらえたらと発案した」と防水営業部東京支店営業2課の原和さん(19年入社)は語る。営業職に就くがコロナ禍で顧客訪問がままならなかった。同社が開発した加熱型改質アスファルト塗膜防水「プライムアス工法」を設計事務所などにアピールしたいと考えた。

“入り口”をつくったほか、動画は約5分でも簡潔に伝わるものにした。スキルを持つ人や部門管理職らを巻き込み、オンラインとリアルで対話を重ねる。名刺の活用を社員に呼びかけ、活用マニュアルも作成していく。 このほか「物流業務規定の見直し」「新技術情報提供システム(NETIS)チャレンジ」などの案件で成果が出た。希望プロジェクト推進委員会の宮川淳三マンションリニューアル関東支店長は「どこに伝えるか困っていた提案をチャットツールで発信共有できるようにしたことは大きく、迅速な課題解決が図れる」と話す。

一方、「5%チャレンジ」は個々人が社内キャリアを築くために自身の成長を目指し、就業時間の5%を自己啓発に充てる制度だ。習い事やオンライン学習など内容、形式は自由だが、始める前に上司と「5年後の自分の姿」について面談する。社内で取り組む際は周りに宣言して行う。

2制度とも成果に応じ「報奨金」数万円を支給する。実践者を増やし「会社の文化として根付かせたい」(宮川支店長)としている。

(2024/11/5 12:00)

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