(2024/12/2 12:00)
H.U.グループホールディングス(HD)傘下で受託臨床検査事業を手がけるエスアールエル(SRL、東京都港区)は、検査の一部にロボットを活用する。特に効率化が難しい特殊検査は、自前でプログラミングした最適なロボットを用いている。検査現場のニーズに応じてプログラミングができる人材も自社で育成する。
SRLはさまざまな検査に対応する受託機関。一般的に医療機関内で実施しない遺伝子検査などの特殊な検査を全国から請け負っている点が特徴だ。遺伝子検査を実施するような大病院の約8割と契約しており、これは日本の特殊検査の約8割を受けていることと同等という。一つの機関では実施数が少なく自動化や機械化の利点が出にくい検査でも、全国から検査を請け負うSRLではロボットを導入することで効率化につながる。
例えば、遺伝子検査の前処理工程である分注を行う機器に自作プログラムを組み込み、分注量を最適化している。熟練者のノウハウを再現し、質の高い作業を高効率で行える。
検査現場の必要性に応じて機器のカスタマイズ(個別対応)ができる背景にあるのは、H.U.グループHD一体となった研究開発体制だ。SRLの中核拠点であるH.U.Bioness Complex(東京都あきる野市)にはH.U.グループ中央研究所が隣接し、現場の近くで技術開発が行える。
H.U.グループHD執行役兼最高技術責任者(CTO)でH.U.グループ中央研究所の社長を務める小見和也氏は「SRLのロボットはいわゆる手が動くものとは違うが、現場で使う機器を自社用にカスタマイズできることが重要だ。当社のプログラマーは技術が非常に高く、事業への理解が深いことも強み」と話す。現場と課題共有でき早期から経験を積める環境が、若手の人材育成につながっているという。
医療の進歩に伴い、検査も高度化や複雑化が加速する。効率化も求められるが、技術力とそれを実装する能力を持つ人材の育成で、現場の課題解決につなげていく。
(2024/12/2 12:00)
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