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移民・難民の子どもや若者:若者4,000人への調査結果-単独で国を出た子どもが半数【プレスリリース】

(2018/12/8)

カテゴリ:その他

リリース発行企業:公益財団法人日本ユニセフ協会

移民・難民の子どもや若者:若者4,000人への調査結果-単独で国を出た子どもが半数【プレスリリース】

グローバル・コンパクト採択に先立ち




【2018年12月7日 ジュネーブ/マラケシュ(モロッコ)発】
14歳から24歳までの移民・難民約4,000人を対象としたユニセフの聞き取り調査の結果、回答者の3分の2が国を出ることを強いられ、約半数が単独で国を出たことが分かりました。

報告書『聞いてもらえる権利:移民・難民の子どもや若者の声を聞く(原題:A Right to be Heard: Listening to children and young people on the move)』は、若い難民・移民が安全でより良い暮らしを求めて移動する中で直面する課題や搾取などにおける、憂慮すべき実態を明らかにしています。

本報告書は、過去3カ月以上にわたって実施した、身元確認済みの移民・難民の若者約4,000人を対象にしたオンライン調査で収集した情報分析の下作成されました。調査結果では、移民・難民の若者が利用できるサポートやサービスには大きな格差があることを指摘しています。

「政治家たちが移民に関して対立をしている一方で、4,000人の移民・難民の子どもや若者は、もっと支援が必要であることを私たちに訴えています」と、ユニセフ統計・調査・政策局長 ローレンス・ シャンディ(Laurence Chandy)は述べました。「運命に翻弄される子どもや若者の声をさらに聞き、より深くかかわらなければなりません。調査が示している通り、私たちが聞く耳を持ちさえすれば、移民・難民の子どもたちは彼らのニーズや脆弱性について多くのことを教えてくれるのです」

本調査では、アフリカ、アジアおよびヨーロッパにいる回答者がおよそ9割を占めています。移民・難民の出身国であるシリアやウクライナ、あるいは、受入国であるドイツ、トルコやウガンダから回答しています。すべての移民・難民の若者の経験を代表するものではないものの、そのような状況に置かれている子どもや若者の声や懸念を知ることのできる貴重なプラットフォームです。

ユニセフは、人々の移動におけるさまざまな側面への共通のアプローチについて、初めて各国政府が合意する瞬間となる「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト(Global Compact for Migration: GCM)」の採択のためモロッコ・マラケシュで開催される政府間会議に先立ち、若者への調査結果を発表しました。これは、マラケシュに集う世界の指導者に対し、移民政策の子どもへの影響について理解を促すためのものです。

「移動は不可避ですが、難民・移民の子どもたちが直面する危険や差別は防ぐことができます」シャンディは述べました。「各国は、安全な移動を確保する手段を持っています。グローバル・コンパクトに提示されたコミットメントや行動―常に子どもたちの最善の利益を守り、移民・難民の子どもを国の子どもの保護システムに統合すること―は、いずれも実現が可能です。グローバル・コンパクトは、地方や国の政府が取り組むことのできる良い実践やアプローチが記載された運用マニュアルも提供します」

主な調査結果には、以下が含まれます:

67%の回答者が国を出ることを強いられた。
44%の回答者が単独で国を出た。
58%の回答者が1年あるいはそれ以上の期間学校に行くことができなかった。
49%の回答者が必要とされる時に病院に行っていない。
38%の回答者が、家族、友人や機関いずれからの支援も得ていない。


ユニセフは、子どもの出身国、移動で通過する国や目的地となっている国々の政府に対し、開発や移民政策において子どもの最善の利益を優先し、家族を離ればなれにせず、移民・難民の子どもや家族の拘留を止め、ノン・ルフールマン原則を守ることを呼びかけています。

本調査結果の通り、私たちにはやるべきことが残っています。移民・難民の子どもの権利を守るために必要な投資を行い、言葉を行動に変える時です。ユニセフは、以下を呼びかけています:

移民・難民の子どもや若者に対し、教育や保健ケアなど不可欠なサービスを提供する。
子どもの権利を守り、子どもや若者が移動の各段階で必要とする支援を行うため、国境を超えた協力を強化する。
移民・難民の子どもや若者の移動、福祉に関する集約されたデータ構築に投資する。
移民・難民の子どもや若者をパートナーとして、ともに取り組む。声を聞くことだけでは不十分である。子どもや若者は、決定権を持つ一員として参加すべきである。


* * *
■ 本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。本信の原文および関連する報告書は、 http://bit.ly/2Sxxcie からダウンロードいただけます。

■ 本信に関連する記事『「もの」を通して伝える、越境の物語 ~難民・移民の子どもたちのストーリー』は、https://www.unicef.or.jp/news/2018/0196.html からご覧いただけます。

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・ユニセフの支援活動やその背景となる状況の説明としての使用
・画像・映像の編集・加工・トリミングは禁止
・提供元の記載>提供:(公財)日本ユニセフ協会

* * *

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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