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産業春秋/地震予知 

(2015/12/8 05:00)

地震は予知できる? それともできない?―。長年繰り返されてきた”古くて新しい問題“だ。予知は超常能力の範ちゅうで語られることもあるが、東海・東南海地震の発生が確実視される中で、科学的な予知方法の確立は急務といえる▼ただ気象庁、学会などの大勢は「予知は不可能」の方向に傾いているように思える。専門家の数は限られ、研究予算もまるで足りていない。世界でも有数の火山・地震大国でありながら、現状はお寒い限りだ▼こんな状況に危機感を持つ研究者らが「地震予知学会」を立ち上げたのは2014年7月のこと。地震の前兆現象を多角的、科学的に研究し、発生直前の短期予測を目指すという▼政府は東南海地震の発生確率として30年以内に60―70%、50年以内に90%という予測を発表している。しかしあまりにも先の話で実感が湧かないし、そもそも評価不可能。10分前でも直前に予知できれば、救える命も多いのではないか▼地震の前兆現象は古くから口伝されており、動物の異常行動や天候異常、井戸の枯渇などさまざま。ただその原因は科学的に解明されておらず、これからの課題だ。「火山・地震大国ニッポン」が地震予知研究でも大国になってほしいものだ。

(2015/12/8 05:00)

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