[ その他 ]
(2016/1/1 05:00)
あけましておめでとうございます。読者の皆さまの新春の風はいかがでしょうか。とはいっても、たった1枚カレンダーをめくっただけで変わるべくもないが、やはり節目。心新たに事件、事故の少ない年であるよう祈りたい▼だが現実は厳しい。戦争の惨禍、テロの恐怖、侵略、貧困、自然破壊。時々刻々、地球は傷ついている。動物学者の新藤陽一さんによると「人も動物も食べることと争うことは同じ脳の働き。ただ人は進化の過程で脳が不安定に発達し、争い事が多くなった」▼テロは全否定されるべきだが、争いには常にそれぞれの立場があり、大義がある。不安定な脳は、ついつい一方的な考えに加担する。それが力による自己主張や国家暴力につながる。根本的な解決が遠のく▼ベンジャミン・フランクリンは「世の中に善い戦争も、悪い平和もあり得ない」といった。争いからは何も生まれない。思えば昨年の漢字は「安」だった。解釈はさまざまだが、安寧の「安」でありたい▼ワールドカップ日本代表の活躍で人気のラグビー。試合の終了を「ノーサイド」という。終われば激闘を繰り広げた敵も味方も陣地もなく、相手をたたえあう。せめて正月だけでも「ノーサイド」の夢を見たい。
(2016/1/1 05:00)