[ その他 ]
(2016/3/23 05:00)
「業績評価の時のダメ出しは人間の本能。ほめるのは価値を認めることだから難しいし覚悟がいる」―。日本ほめる達人協会(大阪市北区)理事長の西村貴好さんは、そう話す▼若手社員の会社に対する忠誠心はあるようでない。ヤル気にもつながっていない。彼らが求めながら実感できていないのは“心の報酬”。中間管理職は、その方法に悩んでいる。ほめることで会社は明るくなり、経営資源は最大活用される▼つまり会社を活性化するコンサルタントなのだ。覆面調査で店舗などのダメ出しをする会社を経営していた西村さんは、逆にほめることの意味と魅力に目覚め、この道に全力投球。大阪府知事時代の橋下徹さんらを顧客に獲得した▼流ちょうな言葉と強烈な自信。ほめることは「他人にきちんと向き合い、自分の心を整えることでもある」というから、そうして自らも鍛えられたのだろう▼「技術は盗んで覚えろ」という“小言幸兵衛”の中小企業経営者にも考えを変えてもらえるだろうか。そう尋ねた時、わずかに困った表情で「日本人は、ほめることにもほめられることにも慣れていないから…」と答えた。企業の文化や風土を変えるための西村さんの活躍の場は、たくさんありそうだ。
(2016/3/23 05:00)