[ その他 ]
(2016/3/24 05:00)
「男性は『メニュー』起点、女性は『素材』起点で夕食を決める傾向がある」。食品卸の企業が主催する展示会で、こんな言葉に出合った▼男性は「休みだから好物のハンバーグを作るぞ」と思い、女性は「余った食材を有効に使いたい」と考えるのが一般的なのだとか。隣で聞いていた男性が「確かにそうだ」とうなずくのに共感した▼「きょうはピーマンが安いからこれで何か作ろう」という女性のニーズと、実際のスーパーなどの売り場には落差があり、そこを埋める見せ方が必要だと食品卸は提案する。例えばピーマンの隣に青椒肉絲(チンジャオルースー)の素を置くとか、タマネギの近くにカレールウがあるといった感じだ▼ところが小売りの現場では、生鮮食品と合わせ調味料などの担当は縦割りで連携がとりにくい。また来店者が店内を回遊することで当座、必要なもの以外にまで目を向けてもらうためには提案のような売り場構成は難しいのだそうだ▼買う側の潜在ニーズを掘り起こすか、それとも売る側の論理が大事か。マーケティングの議論はいろいろあるのだろうが、消費不振の打開策として、ガラリと従来の見せ方を変えた店舗は試せないものだろうか。そんなことを考えた。
(2016/3/24 05:00)