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【熊本地震】観光業にも影−訪日外国人向け対策に課題

(2016/4/20 05:00)

  • 地震で倒壊した阿蘇神社の楼門(もうもん、17日=熊本県阿蘇市)

国内でも有数の温泉地がある熊本、大分の両県を襲った地震は、4月末からのゴールデンウイーク(GW)前に、主力産業である観光業にも影を落とす。ライフラインが止まった阿蘇地方のホテルや旅館は、今後数週間の予約がほぼすべてキャンセルになっている。一方、観光庁は地震を不安に思う訪日外国人向けに情報発信を強化。訪日外国人が増える中、地震の多い日本にとって災害発生時の訪日外国人向けの対策は、今後の課題になりそうだ。(1面参照)

九州地方の観光業は、2015年7月に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」が呼び水となり、好調に推移していた。九州は構成資産がある8県のうち5県が集中し、長崎市の端島(軍艦島)では上陸者数が前年比5割増となっていた。地震によって水を差された格好だ。

地震の影響で全車両が脱線した九州新幹線は、20日から新水俣−鹿児島中央間で運転を再開したものの、地上設備が100カ所以上損傷していることが判明。全線の運転再開は時間がかかる見通しで、観光業の早期回復も難しい状況になっている。

一方、湯布院や黒川など、九州の温泉地は拡大する訪日外国人にも人気が高まっており、今回の地震でも南阿蘇地方で20人の中国人観光客が孤立した。

こうした中、観光庁は日本政府観光局(JNTO)のホームページを通じて被災地の空港や鉄道、高速道路の状況などを掲載し、情報発信を強化。JNTOの電話窓口では24時間、問い合わせに応じる体制を整えた。

訪日外国人は東日本大震災後、飛躍的に増え、12年の835万人から15年は1973万人と、わずか3年で2・4倍に増加した。日本を旅行先に選ぶ理由として、「安全」を上げる外国人は多い。

このイメージを堅持するためにも、災害発生時の正確で迅速な情報発信や訪日外国人のケアなどをより強化する必要がある。

(2016/4/20 05:00)

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