東芝、トップ交代−２頭体制で経営再建、半導体新たな提携も

東芝がトップ交代に踏み切る。６月下旬の株主総会後に綱川智副社長（６０）が社長に昇格する人事を決めた。また代表執行役を兼ねる会長職を新設し、原子力発電事業を担ってきた志賀重範副社長（６２）を昇格させる。全体最適を図る綱川氏と、社外活動とともに実務を担う志賀氏という２頭体制で経営再建を図る狙いだ。一方、社長候補の一人だった成毛康雄（６１）氏は、副社長を続投し半導体事業に専念する見通しで、同事業は他社との提携など新たな動きを加速させる可能性もある。（後藤信之）

【社内から選定】

「社外人材の登用も検討したが、事業領域の広い東芝を再生できる確率が高いのは社内人材だと考えた」―。東芝の指名委員会の小林喜光委員長（三菱ケミカルホールディングス会長）は６日の会見で、人事選定で重視した点をこう説明した。１０人程度と面談した過程で、３人の副社長が有力候補となった。

東芝は原発などのエネルギー、社会...