[ オピニオン ]
(2016/5/26 05:00)
26日に開幕する伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)は、先進7カ国(G7)が世界の安定と発展のために果たすべき役割を確認する場となる。議長を務める安倍晋三首相はじめ各国首脳がリーダーとしての責務を自覚し、将来の不測の事態を防ぐことを期待する。
2008年のリーマン・ショックに端を発した世界的金融危機は、G7の力だけでは対処できなかった。新興国を含めた20カ国首脳会議(G20サミット)が創設され、G7の役割を代替するかに見えた時期もある。
しかし新興国経済の成長に急ブレーキがかかり、世界経済の下振れリスクがさまざまな形で顕在化している。中東や南シナ海には国家間の紛争の火種がくすぶる。
こうした中で、G7諸国が結束して将来展望を切り開くことの意義は高まっている。各国が持てる政策を総動員し、将来の事態に協調して対処することを再確認してもらいたい。
日本経済は停滞が明らかで、何らかのカンフル剤が必要になっている。だからといって日本のわがままをすべてサミットで認めてもらうわけにはいかない。日本経済の再点火は、成長戦略と財政再建の継続によって果たすのが本筋だ。
安倍首相が経済政策「アベノミクス」を打ち出した当時とは内外の状況は大きく異なる。為替や財政出動に過度に依存する政策は許されない。
サミットの使命は世界経済の運営以外にもある。特に発展途上国の開発を進める国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の実施は重要だ。女性の活躍の場を広げる取り組みを前進させ、また伝染病の世界的大流行を引き起こさないための施策も欠かせない。
安倍首相が、第1次政権当時の独ハイリゲンダム・サミット(07年)を含めて5回目の出席になることも特筆しておきたい。これは歴代最多の小泉純一郎元首相の6回出席に次ぎ、中曽根康弘元首相と肩を並べる。議長にふさわしい“サミットのベテラン”として、議論を主導してほしい。
(2016/5/26 05:00)
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