[ オピニオン ]
(2016/6/21 05:00)
イチローの日米通算最多安打記録達成を受けたピート・ローズの「オレのプロ通算も計算したらどうだ」との発言が気になった。メジャーリーグ通算4256安打の記録を持つローズはマイナー時代に427安打を放ち、これを足せば4683本になる。
ウェブサイトで調べて見ると、米国野球殿堂入り第1号のタイ・カップも4355安打とイチローの記録を上回る。ハンク・アーロンもマイナーを含めれば4000本ヒッターだが、プロ通算となると、さらに増える。黒人リーグ時代に41安打を記録しているからだ。
人種差別を受けて立ち上げた黒人リーグは戦前から1960年まで存在した。当時メジャーをしのぐ実力があったともいわれ、黒人初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンらも在籍した。
ロビンソンは47年にドジャースに入団するや初代新人王となり、2年後に首位打者と盗塁王の二冠を獲得した。何かの縁だろうか。半世紀後、この2部門と新人王の別称「ジャッキー・ロビンソン賞」はイチローが獲得することになる。
皮肉にもその後の黒人選手の活躍で黒人リーグは消滅する。日本のプロ野球は大丈夫だろうか―イチローの快挙を喜ぶ心中に心配の影がよぎる。
(2016/6/21 05:00)