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[ 自動車・輸送機 ]
(2016/7/25 05:00)
いすゞ自動車は2017年度までに中国・慶鈴汽車グループと大陸での長距離輸送を見据えた大型トラックを開発する。日本に投入する大型車より一回り大きいキャブ(運転席)を設計。中国で製造販売し、東南アジア(ASEAN)への輸出も視野に入れる。ASEANは経済共同体(AEC)の発足で国境を越えた輸送の拡大が見込まれる。欧州メーカーも日本の子会社と連携して大型車を相次ぎ投入しており、競争が本格化しそうだ。
国土が広い中国は日本より輸送距離が長く、運転時間が長時間になる。いすゞは車両の高さが原則3・8メートルに制限される日本の大型トラックより大きいキャブを設計。長距離でも疲れにくい運転環境を確保し、トレーラーなどを開発する。ドライバー2人が交代で運転する輸送形式にも対応して2段ベッドも装備できるなど、大陸を走る欧州車のような構造にする。
大型トラックは慶鈴との中国合弁工場(重慶市)で生産する。生産台数は年間数千台の見通し。いすゞが日本に投入した新型大型トラックをベースに開発するほか、慶鈴が14年に販売した大型車と部品を共有するなどして量産効果が出せるようにする。
スウェーデンのボルボは子会社のUDトラックスと長距離輸送を見据えた大型トラックを開発し、タイと中国で生産している。独ダイムラーも子会社の三菱ふそうトラック・バスなどとインドで大型車を開発・生産して輸出する。
ASEANは日系商用車各社のシェアが高く、日本仕様のトラックが選ばれてきた。AECの発足で国境を越えた移動や市場の拡大が見込まれており、大型トラックの需要は高まるとされる。
(2016/7/25 05:00)