[ 機械 ]
(2016/8/1 05:00)
【統合生産制御システム CENTUM VP R6」】
高密度実装にこだわり
「工期の遅れを抑えられる」。横河電機IAプラットフォーム事業本部の白津英仁マーケティングリーダーは、プラントの生産設備の制御・監視システムを構成する入出力装置の重要性をこう説明する。
横河電機の主力が分散型の同システム「センタムVP」で、入出力装置に多くのセンサーやバルブが接続される。さまざまな電気信号により、センサーからの情報をやりとりする仕組みだ。現場では、つなぐセンサーの種類の変更などが多く、工期に与える影響が小さくない。そこで同社は、この課題をソフトウエアの力で解決することを導き出した。センサーの取り換えや誤った接続でも、入出力装置のソフトで簡単に対応できるようにした。
石油・ガスや化学などのプラントが大型化する中で、工期の順守に向けた役割は大きい。これまで信号ごとの配線を整理する機材も合わせて必要だったが、同様の機能を入出力装置に持たせたことで、設置スペースの削減にもつなげられる。
横河電機は入出力装置を実用化する上で高密度の実装にもこだわった。実は15年ぶりに一新することから、デザインの担当部署もめったにない機会と意気込んでいた。IAPFグローバル開発センターメカ技術部の大脇康裕課長は「デザイン性と電気回路を踏まえながら、デザインのコンセプトを現実的な方向に落とし込んでいった」と振り返る。点検作業などに対応するために、必要な機能も搭載した。
また、入出力装置に明るい印象を与えるようなミントグリーンとシルバーグレーで塗り分けて、色の配分にも配慮した。こうしたシステムの場合、単色の色合いが多く、利用するのが難しく感じてしまいそうだが、「今回は使いやすさを色合いでも表現した」(高野直人マーケティング本部デザイン企画課課長)という。横河電機はデザイン面での工夫を別のシステムでも凝らしており、開発力の強化につながりそうだ。(孝志勇輔)
(2016/8/1 05:00)
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