[ オピニオン ]
(2016/8/12 05:00)
記者の職業病だろうか。疑問や関心が湧くとヒントを探して書籍や雑誌を購入する。会社経費にできない出費が月に1万円以上になることもある。5%から8%への消費増税は、実は結構こたえた。
恥ずかしながら、少しでも節約したいのは人情だ。金券ショップなら額面の4%引きぐらいで図書カードを購入できる。それを持って、なじみの大型書店に行く。まとめて本を買うと喫茶コーナーの無料券がもらえる。
豊かなコーヒーの香りを楽しみつつ、買ったばかりの本に目を通す。少しばかりリッチな気分になって増税のウサを晴らす。ささやかな庶民の抵抗かなと、ひとりごちる。
安倍晋三首相が再延期を表明したものの、税率10%になったらどうするか。新刊をなるべく早く読み切って古書店に売却する向きもあるようだが、出版にも携わるメディアの一員としては受け入れにくい。ネット書店のポイント還元キャンペーンを活用する程度しか思いつかない。
デフレ脱却が実現しなければ、自分のほかにもこんな小さな節約方法を考える人が増えるだろう。景気は気から。縮み思考では消費は上向かない。給与は思うように上がらないけれど、本代ぐらいは気前よく払おうと気を引き締めた。
(2016/8/12 05:00)