[ オピニオン ]
(2017/1/18 05:00)
路線バスを乗り継ぐ旅番組が好評だからだろうか。バスの利用が人気だという。名古屋市では小旅行だけでなく、日常の移動手段としてバス活用を模索する取り組みが始まっている。
地下鉄が主要ポイントを結んでいる市の中心部でも、決まった訪問先への移動なら路線バスの方が便利なケースがある。市内周辺のバス会社では、そうした早くて安価なルートをまとめて表示している。
もともと名古屋にはバス運行の“先進地”の顔がある。1982年には広い道路幅を生かして、中央の専用レーンを走る「基幹バス」を導入。2001年には専用高架軌道を走る「ガイドウェイバス」が開業した。ダイヤは鉄道並みで、道路混雑の緩和にも一定の効果をあげている。
さらに市は新しい公共交通機関として、専用レーンに連結バスを走らせる「バス高速輸送システム(BRT)」の導入方針を示している。中心市街地を巡る回遊性と利便性の向上を目指すもので、27年のリニア中央新幹線の開業を見据えた動きだ。
BRTは宮城県気仙沼市など複数の都市で、運行が始まっている。後を追う名古屋市はBRT導入時に、自動運転など先進技術を取り入れる考え。“自動車の街”は、さらに進化を続ける。
(2017/1/18 05:00)