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(2017/3/10 05:00)
日刊工業新聞社は9日、東京・飯田橋のホテルグランドパレスで「2016年第27回読者が選ぶネーミング大賞」の表彰式を開いた。大賞には日本生命保険の長寿生存保険「グランエイジ」が選ばれ、同社の田中聡取締役執行役員に賞状と盾を贈った。総得票数は1万2916票で、グランエイジは3076票だった。
日生の田中取締役執行役員は「人生100年時代を生きる一人ひとりが、安心して自分らしく過ごしてもらいたいという願いをネーミングに込めた」とあいさつした。講評した丸の内ブランドフォーラムの片平秀貴代表は「5年先、10年先と受賞作のネーミングが育つように励んでいただきたい」と語った。
ビジネス部門1位は住友理工の心臓マッサージ訓練支援機器「しんのすけくん」、生活部門1位はキリンビバレッジの飲みきりサイズの缶入り無糖炭酸水「キリンyosa―soda(ヨサソーダ)」が表彰された。
【ネーミング大賞・喜びの声/商品特性とマッチング】
ネーミング大賞の表彰式では、受賞企業が口々に「良い刺激になる」「今後の販売に生かしたい」など、喜びを語った。受賞の栄誉もさることながら、賞に選ばれた理由が自社商品の特性や開発狙いにマッチングしたことを素直に喜ぶ声が多い。各社の商品開発への思いは、ネーミングを通じてユーザーにもきちんと届いたようだ。
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キリンビバレッジの実川勝己営業部営業推進担当部長は無糖炭酸水「ヨサソーダ」について「500ミリリットル以上の炭酸水商品が多い現状、飲みきりサイズなのでちょうど良いとの開発の狙いが消費者に正確に伝わった」と“ネーミング”の効果を話す。「これから暑い季節で需要期なので、積極的に売り込みたい」と抱負を述べた。
アサヒグループ食品(東京都渋谷区)の倉田正之アサヒヘルスケア事業本部本部長は、睡眠の質を高めるサプリメント「ネナイト」について「睡眠薬だと怖いイメージもあるが、商品名で消費者に親しみを抱いてもらえた」と手応えを語る。「現代人はさまざまな理由で眠れないストレスを抱えており、商品が睡眠の質向上にお役に立てたらうれしい」とした。
住友理工の西村義明会長兼CEOは「BツーBの会社であっても、ブランドをどう作っていくかは非常に大事だ」とした上で「ネーミングとモノづくりは確かに関連する。今後もネーミングを極め、住友理工のブランドとして育てていきたい」と決意を示した。
キャニコムの包行均会長は「ネーミングのポイントはどう表現したらお客さんが喜ぶか、わかりやすいかだ。商品の特徴の一部を引き出して膨らませ、おやじギャグも入れる。特徴ある商品を作れば名前も付けやすい」とネーミングの大切さを強調した。
スガツネ工業(東京都千代田区)の奥山澄事業推進室副室長は「今回ノミネートされたことが、社内の良い刺激になった」と明かす。同社が取り扱う製品は企業向けが多く、英語や数字の品番がほとんど。受賞を機に「今後また新商品によっては、マスコットネームをつけることを考えたい」と意気込む。
沖縄ヤマト運輸の赤嶺真一社長は「グループ全体からネーミングを募集し、私自身が描いていたイメージとぴたり一致した。アジアに向けたハブ拠点としてサザンゲートを展開しており、これからも頑張りたい」と語った。
(2017/3/10 05:00)