[ オピニオン ]
(2017/4/7 05:00)
中堅・中小製造業の春の労使交渉(春闘)で、労使が賃金引き上げに合意するケースが昨年以上に目立つ。政府には、こうした中小の経営努力が報われるような経済運営を求めたい。
労働側はこれまで、従業員数の7割弱を占める中小労働者の大手との賃金格差の是正と、全労働者の約4割となった非正規労働者の待遇改善を訴えてきた。安倍晋三政権もこれに一定の理解を示している。
一方、中小の経営者が直面しているのは深刻な人手不足だ。賃上げをしなければ従業員の確保がおぼつかなくなる。必ずしも業績がいいとはいえない企業でも賃上げは避けられず、厳しい局面に立たされている。
労使双方の事情から、今年の中小の春闘は従来と異なる様相を見せている。3月末時点で、自動車、電機、鉄鋼などの製造業の労働組合で構成する金属労協(JCM)の賃上げ額平均は1195円。規模別では組合員1000人以上の大企業が1126円に対し、300人未満が1268円と大手を上回る結果となった。
例年、中小労組が妥結する3月末以降には賃上げ額平均が低下する傾向にあるが、今年は逆に上昇している。金属労協加盟の中小労組の賃上げ額が大手を超えるのは集計を取り始めて以来、初めてという。最終集計はまだ先だが、中小の人手不足の状況が変わらない以上、この傾向は続くだろう。
流通や運輸、通信など非製造業でも中小の上積みが目立つ。連合がこれまでまとめた春闘回答集計を規模別にみると、組合員数300人以上の賃上げ額は平均6222円で昨年同時期を106円下回ったのに対し、300人未満は平均4971円と昨年を17円上回った。
これは中小の経営者の多くがデフレ脱却と今後の景気浮揚に期待を寄せ、同時に従業員のためを考えて決断した結果に他ならない。足元の日本経済は大手企業の業況が改善しているものの、中小の景況感を左右する内需は停滞している。政府には、中小の努力にこたえる適切な経済運営が求められる。
(2017/4/7 05:00)
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